自動車業界において、軽量化や高剛性・高強度に適したパイプ製品の需要が高まっています。それに伴い、パイプ形状の複雑化や難加工材の採用など、生産における加工難易度が高度化しています。そこで、今回は端末加工の一つであるフレア加工についてご紹介します。
端末加工の種類
端末加工とは、パイプの先端を様々な形状に加工する技術です。代表的な加工形状としては、三角、楕円、潰し、ラッパなどがあります。加工方法としてプレス加工が一般的ですが、スピニング加工やスエージ加工などでも加工されることがあります。
フレア加工とは?
フレア加工とは、専用の加工機を使いパイプ端部を拡げて、見た目をラッパ形状にする加工方法のことを指します。適切な形状加工でなければ、流体や気体の漏れにつながりますので、技術とノウハウが重要となります。
フレア加工のメリット
パイプに孔を開け、そこに孔をあけたパイプを溶接しようと考えた時に孔径とパイプ径の差が限りなくゼロに近くないと、溶接時に穴が空いたり、溶け落ちが発生してしまいます。また、穴同士の溶接は難易度も上がるため、熟練者しか対応出来なくなってしまいます。しかし、フレア加工を行うことによって、開けた孔ではなく、その孔を開けたパイプの形状にフレア加工がなつくことによって、溶接がかなり行いやすくなり、加工ミスを大きく減らす事が出来ます。また、熟練者以外でも溶接が行えるようになりますので、パイプフレア加工のメリットとしては、工数・材料費用を低減すること、社内生産性を向上させるが出来るということです。
フレア加工の加工方法について
パイプフレア加工には大きく2つの工程が必要となります。
1.パイプの端末をレーザー切断にて展開切りを行う。
形状によっては、単純な斜めカットをする場合と展開形状の紙を巻きつけてカットする場合があります。
2.パイプを抱き型にセットして、プレス加工にて芯金を使用して加工を行う。
当社のフレア加工の製作ポイント
フレア加工は、単純に型を製作して、プレスで押せば出来るものではありません。材料がどのように流れていくのか、どこに集まりやすいのか等を加味して、展開形状を決めなければなりません。この加工前の準備が上手くいかなければ、①製品の板厚が確保できない、②加工途中で材料同士が重なってしまう、③割れてしまうという不具合が発生してしまいます。当社では、今まで蓄えてきたノウハウでこの重要なポイントを卒なくこなし、型・治具の再製作がないように製作しています。